【警察学校】食後の「ご馳走様でした!」 新入生が放った一言に、先輩「吹き出した」
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近年、ドラマと映画で人気の『教場』などの影響で、警察学校に関心を持つ人も増えたのではないでしょうか。
警察学校に厳しい訓練や規律のある生活をイメージする人も多いかもしれません。実際、規律や指導が非常に厳しい場所です。
筆者は警察官時代、警察学校で新入生の指導を担当した経験があります。
今回は、その指導期間中に起きた、今でも忘れられない出来事を紹介します。
警察学校の概要と指導期間
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警察学校は、高卒の場合は約10か月、大卒の場合は約6か月の教育期間があり、全寮制で生活します。刑法や刑事訴訟法などの法律を学ぶほか、武道や逮捕術などの訓練も行います。
また、入校式の前には『指導期間』と呼ばれる期間があり、上級生が新入生に学校生活のルールや規律を教えます。新入生にとっては、特に緊張感の高い時期です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
食事中も気が抜けない指導期間
この指導期間は、食事の時間であっても気を抜くことはできません。
新入生たちは、おかずを受け取る際にも、腹の底から大きな声で「お疲れ様です!いただきます!」と発声しながら、おぼんに小鉢や丼をのせていきます。
これは調理員の方々への感謝を伝える意味だけでなく、警察官として大きな声を出す訓練でもあります。現場では、犯人を圧倒したり、危険を周囲に知らせたりするため、声の大きさは重要なスキルだからです。
そのため、声が小さければ何度でもやり直しをさせられます。
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さらに、全員が揃った後には、号令をかける役も必要です。
「手を止めてください!〇〇期〇〇学級、姿勢を正していただきます!」
この号令は挙手制で決められますが、実際には『挙手制という名の強制』です。手を挙げなければ指導が入るため、全員が手を挙げます。
そして、ここでも声が小さければやり直しです。
ちなみに、筆者は声だけは自信があり、新入生時代にこの号令を一発で通した記憶があります。
完璧な食後の号令!のはずが…
ある日、食後の号令をかける新入生を指名した時のことです。
指名された新入生は自信に満ちた表情をしており、実際に発声も見事でした。
「手を止めてください!〇〇期〇〇学級、姿勢を正して…」
ここまで完璧で、周囲にも『これは一発で通る』という空気が流れていました。
しかし、その直後です。
「いただ…」
一瞬の違和感が走りました。本来であれば「ご馳走様でした」と言う場面です。
「あぁ…残念だったな」と思いながらも、筆者がやり直しを指示しようとした、その瞬間…。
「いただ…きましたぁぁ!!!」
新入生は、真っ直ぐな瞳で、力強く言い切りました。
言い間違いに気づいたうえで、無理やり軌道修正したのです。
次の瞬間、指導していた先輩たちは一斉に回れ右。肩を震わせる者、唇をかみしめる者など、それぞれが必死に笑いをこらえていました。
筆者も思わず回れ右をしそうになりながら、必死にこらえ、小さく震える声で伝えました。
「声は完璧だったけど…さすがに、もう1回やり直そうか」
後日、その新入生からこんな話を聞きました。
「自分でも声はしっかり出ていたし、先輩方の様子を見ても『合格だ』という空気を感じていました。だから少し油断して間違えました」
続けて、「でも、どうしてもやり直したくなくて…イチかバチかで無理やり修正しました」と、正直に告白。
あの場の空気を思い出すと、今でも吹き出しそうになります。
今でも笑ってしまう思い出
指導期間は、食事の場面ですら気が抜けないほど厳しいものでした。
その中で、声を出すことの大切さや、緊張感のある環境での振る舞いを学びます。
しかし、そんな厳しい空気の中でも、思いがけない出来事が起きることがあります。
あの日の「いただきましたぁ!!」は、今でも思い出すとつい笑ってしまう、忘れられない警察学校の思い出です。
[文・構成/りょうせい]